許さないで
こんなはずじゃなかった。
まだ耳の奥にアイツの声が響いてる。
自分から忘れてくれと言ったはずなのに、今すぐ戻りたがっている俺がいる。
(どうして)
来年も一緒にいたいと、幸せになりたいと思ったはずなのに。
初詣であんなにも願ったのに、俺がこの手で自ら駄目にした。
(どうして)
走馬灯のように蘇る、思い出。
バイト初日。
初めてのデート。
一緒に帰った帰り道。
一緒に主役を務めた文化祭。
二人で見た朝焼けの海。
全部全部、大切だったのに。
(泣きそうな顔、してた)
突然の呼び出しに、何を思っただろう。
彼女でもなんでもない、ただの友達で、バイト仲間なのに。
それでも俺にとっては彼女が全てで、そのことがとてつもなく怖かった。
これ以上、何もかも晒してしまいそうな気がして。
「・・・あかり・・・」
自分のプライドを優先した俺を、彼女は許さないだろう。
けれど、本当は、こんなつもりじゃなかった。
傷つける気などなかったのに。
「あかり・・・あかり、あかり・・・」
ごめんなさい。
どうか俺を、許さないで。
「耐えられないんだ!」イベ後の瑛独白。
言って去った後の瑛が見たい。どうして主人公は追わないんだ!