上目遣い



「先輩、先輩」



袖を引っ張りながら言う声に、「どうした?」と見ると、彼女は何も言わずじっと見つめてきた。

・・・な、何だ?

うるうると大きな目で見上げてくるのに耐えかね、もう一度後輩の名を呼び、尋ねる。



「先輩、なーんにも感じないですか?」

「はあ?」



小首をかしげ逆に問うてくる彼女に、こちらも聞き返した。



「何もって?」

「密ちゃんが、男の人は上目遣いに弱いって・・・」

「・・・あのな」

「でも、先輩、なんにも変わんないんだもん」



どこか拗ねたようにぷうとふくれ、そう言う彼女。

俺は、そんな彼女の頭をよしよし、と撫でる。



「大丈夫大丈夫、お前はそのままでも十分可愛いから。とくにそのふくれた顔がいいぞ、うんうん」

「もう!真咲先輩の意地悪!」



なーんて。

本当はかなりやばかったことは、内緒にしておこう。




誘惑しようと必死でしている主人公・・・(管理人の勝手なイメージ)。
真咲の動揺は主人公には全く伝わってないといい。ありりんとか櫻井にはバレバレ。


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