もうちょっと考えろ
「おはようございまーす!」
待ち合わせの場所に元気よく現れた彼女。
・・・よりにもよって今日その格好なのか、お前。
今日は暑いからと、ここよりは涼しいだろうはばたき山の方へドライブ。
隣に座る彼女は、楽しそうに学校の話をしている。
「でね、この前新しく出来たケーキ屋さんにはるひ・・・って友達なんですけど、そのこと一緒に行ったんです。
そしたらそこのフルーツタルトがすっごく美味しくって!」
こんな大きい桃が乗ってたんですよ!と手で大きさを表してくれるのに、俺も仕方なくちらりと横を見る。
ジェスチャーと共に視界に入るキャミソール。
白くて細い肩がむき出しになっているのに、ジェスチャーの確認もそこそこに、俺は前へ向き直る。
「その帰りに一緒にショッピングもしたんですよ〜。そしたらホットパンツが売られてるじゃないですか!
本当は買うつもりなかったんですけど、はるひが似合うって言うからつい・・・」
それって今日履いてるヤツのことだろうな、多分。
おかげで俺はさっきからお前の足元が見れないんだマジで。
いや、似合ってるんだけど。
「はるひからペディキュアももらったんです。えへへ。嬉しくって今日塗ってきちゃった」
それでミュールはいてるのか。
おかげで長い脚が余計に長く見えて目に毒・・・。
つーか何で車って密室なんだ。
せめてボウリングだったらこんな苦行には・・・。
いやいや、このあられもない姿をあそこで晒させるのか?
それも困る、誰にも見られたくないし・・・。
でもこの環境は、健全な男子にはあまりにもキツクないか?
「・・・ってもう!真咲先輩?聞いてます?」
「聞いてる。ちゃんと聞いてる」
だからそんな接近しないでくれ頼むから。
「聞いてるならなんでこっち向かないんですか!」
いやいや、運転中だから。
というか何でそんな悩殺スタイルなんだお前は。
車という名の密室に2人きりだぞ?
もうちょっと俺の気持ちを考えろ。
頼むからマジで。
ドライブデートは意味もなくいつも露出度高い服を選んでしまいます。
だって真咲先輩が悶々してるかと思うと楽しくて!(愛ですよ、愛)