ふわふわ
目が覚めてこれが現実だと思えたのは、隣に先輩がいたから。
まるで宙に浮かんでいるみたいだと思った。
ふわふわしていて気持ちがいい。
気だるさも何故か心地が良くて。
「起きてるか?」
言われて、はい、と目を開けた。
密着した体から、心臓の音が伝わってきて安心する。
「大丈夫?」
「はい。丈夫なだけが取り柄ですから」
「・・・馬鹿。体はちゃんと大事にしろよ。って俺が言うなよって感じだけど」
優しい先輩の言葉。
いつもみたいにどこか寂しく感じないのは、先輩の体温が伝わってくるからだろう。
「あー・・・飯、どうする?何か作ろうか」
どこか気恥ずかしそうに尋ねる先輩に、思わず微笑みながら「大丈夫です」と告げる。
それより、まだもう少し、こうしていたい。
先輩の体にぎゅっと抱きつき、そう小さな声で言うと、「あのなあ」と呆れたような声が上から降ってきた。
溜息に見上げると、そこには優しい笑顔があって、私は安心する。
「・・・もう少し、だけな」
「はい」
そうして私は再びまどろむ。
幸せな、ある日の朝。
事後話。いわゆるピロートーク?
イメージとしては初体験後なんですけど。それにしてもほのぼのすぎる。