飴玉



今朝から喉が痛い。

ささくれ立っている様な気がする喉を押さえながら歩いていると、

向かいから歩いてくる彼女に「どうしたの?」と尋ねられた。



「氷上君、もしかして喉が痛い?風邪でも引いた?」



何で分かるのだろうと驚いていると、挨拶運動の声がいつもと違ったからと返ってきた。

ああ、やっぱり声が違ったか。

しかし声を聞いただけで分かってくれるなんて。

何だか面映い。



「よかったら、これあげるね」



喉にいいと思うから、と。

そっと渡されたのは、色鮮やかな飴玉。



「君、勉学に関係のないものは・・・」



持ち込み禁止だと。

思わずそう言おうとして、口を噤む。

早くよくなってねと、柔らかな微笑とともにあたたかい言葉まで添えられた飴玉に罪はない。



だから代わりに、「ありがとう」と告げた。










氷上が書きたくて書きたくて仕方がなかったときに書いた話。
飴玉を握り締める氷上を想像してください。なんて可愛いんだ・・・!


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